こんにちは
ワタシ開花カウンセラー
リーラ ミキ です。
ゲシュタルト療法を学んでいく中で、時折、耳にするお名前がありました。
その名は、「渡辺トヨ子さん」
いつかお会いしてみたいと思っていたら、トラウマケアのセミナーを全4回にわたって開催されるとの情報が入ってきて、これは受けるしかない!って思いました^^
トラウマケアセミナーにむけての渡辺トヨ子さんのメッセージを引用
↓
渡辺トヨ子です
私は28年間ほどゲシュタルト療法に携わってきました。
ゲシュタルトのワークショップの現場で、しばしばフラッシュバック、パニック、硬直、解離、無気力などの症状に出会います。
硬直や解離の状態になるとセッションは困難になり中断せざるを得ないことがあります。
そんな時、学会でトラウマ療法の研究発表があり衝撃を受けました。
トラウマ療法は体系化され、アプローチの方法も確立していたのです。
私は早速「ソマテイック・エックスペリエンス」を学び、
SEP(ソマテイック・エックスペリエンス・プラクテショナ―)の認定を得ました。
ソマテイック・エックスペリエンス療法(略してSE療法)は、
アメリカのピーターラヴィーン博士によって体系化されたトラウマ療法です。
「ソマティック」は「身体の」「エクスペリエンス」は「体験」という意味ですから直訳すると「身体の体験」となります。
トラウマ症状は、その「引き金となる事件」そのものが引き起こすのではありません。
それは脅威に直面したときの、未解決で未放出の凍りついた残余エネルギーから生じる生理的現象です。
このSE療法のアプローチはゲシュタルトと療法のアプローチと重なることに気づき、それ以来私はゲシュタルト療法にそのエッセンスを加えています。
その理論とアプローチの方法を、皆さんにお伝えしたいと思います。
お楽しみに。
「トラウマは病気ではありません」
これはピーターラヴィーン博士の言葉。
トラウマとは、
個人が持っている対処法では対処することのできないような圧倒的な体験をすることによって被る著しい心理的ストレス(心的外傷)のこと。
そしてそれは、
人間の生命を守るための本能、防衛本能、自律神経系の生理反応であり、自然な現象。
トラウマとは、
安心がない、安らぎにない状態なだけだということ。
トラウマは、病気ではない。
そしてトラウマは、
そのことの大小違いはあれど「どんな人にもあること、誰にでもにあること」なのだということ。
みんな深いトラウマを抱えている。
意外とその事実を知らない人は多いように思う。
ゲシュタルト療法・トラウマケアセミナーでは、トラウマを解消し、慢性的なストレスを軽減する方法を4回にわたって学んでいく。
私自身、自覚しているトラウマはいくつかあるし、無自覚なトラウマもきっとあるだろうから、どんな癒し、気づきが起こるのか、楽しみしかない。
そしてトラウマに対する理解とアプローチを学び知ることで、セッションでのよりよいアプローチへと繋げていきたい。
ここに、私の感覚にヒットしたこと、感じたこと、気づいたこと等を備忘録的に綴っておこうと思う。
今回は5月と6月、2日間の学びをまとめて、つれづれに綴ります。
【5月】~トラウマとは~
「この世に “絶対” ”正解” はない。あるのは自分の“実感”だけ。実感が真実。あなたの実感を一番に」
トヨ子さんの最初のこの言葉が、私の真ん中に響きました。
ほんとそうだなって、私もそう思うし、そう生きていきたいって思いました。
ゲシュタルトは机上の空論ではなく、「身体で感じ気づいていく」ことを基本としているから、私はすごく好きだし惹かれたんだよね。
生理学的に内側で起こっている感覚を知るとホントウに楽しめる!ということを知りました。理論も大事。
感覚にはたくさん言葉がある。
感覚にフォーカスし「今、何を感じている?」と問い、感じ続け、それをキャッチしていくほどに(トラッキング)爬虫類脳にアクセスして人は癒されていく。
トラウマの症状はその出来事から引き起こされるのではない。
体験の残余エネルギーが身体から解放されない時に起こる。
このエネルギーは神経系の中に閉じ込められている。
だから安心安全の場で、リソース(安心安全の感覚)と共に、ディスチャージ(エネルギー放出)し、自律神経を溶かしていくことをセッションでは行っていく。
「癒しのプロセスは、劇的でなければないほど、またゆっくりと起これば起こるほどより効果的である」
by ピーターラヴィーン
トラウマは1回のセッションですべてを解放し癒すことは無理。
だから、ゆっくりとたくさんセッションの時間をかけてゆるめ溶かしていくこと。
トラウマアプローチセッションとはそういうもの。
そして、セラピストがリソースとなることも可能。
私はそんな存在になりたい。
トラウマケアのセッションは、トラウマの記憶がなくてもセッションできる。
現在の問題、症状などに対する身体感覚(フェルトセンス)を探求することで、未完了の防衛反応を完了していくことができるから。
私たちにはフェルトセンスという機能があって、自らの本能的な感覚で未完了のトラウマを完了させることができると知り、私たち人間には自然治癒力、自己回復力というものがあるのだと、あらためて思いました。
私たちには、計り知れないチカラが備わっている。
セミナーの最後、トヨ子さんが「セラピストは知っておくこと、知っておいてほしいこと」とシェアしてくれた言葉が、胸にきゅ~んと響き、鼻がツーンとするほどに感動しました。
忘れずに、胸に留めておきたい↓
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トラウマを抱えている人の多くは、自分を否定し自分を責めて傷ついている。
その時、あなたを守ってくれたのは自律神経なんですよ。
自分を守ってくれた防衛本能に敬意をはらい、尊敬し、誇りに思ってください。
あなたがそこでフリーズしたからこそ、生き延びることができ、
今ここで生きていられているのだということ。
そんな自分のことを尊敬してください。
それは最も最善な方法だった。
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【6月】~ポリヴェーガル理論~
「境界線は、愛のために引くんですよ」 by ポーラ バトム
ポーラのこの言葉から始まった6月のセミナー。
ゲシュタルトは境界線を引くことをとても大事にしている。
それは別離ではなく、愛のために引く。
ゲシュタルトの学びの場では、みんな名前で呼び合うのだが、それは上下ではなく対等に個を尊重し、境界線を引くことにもなるから。
だからゲシュタルトの場は居心地がよく、自然と自分で在れるのだと思う。
場のエネルギーの影響って大きい。
「ポリヴェーガル理論」とは、「複数の迷走神経系理論」と訳せ、これはポージェス博士の造語。
2種類の迷走神経、特に背側迷走神経(原始的なシステムの名残)と腹側迷走神経(哺乳類のみ、社会交流システム)の2種類の迷走神経を区分するところに着眼がある。
様々なセラピー、ボディワーク、教育現場のトレーニングの技法として使われている。
今までは自律神経といえば、交感神経と副交感神経、この2つを連想させていたけれど、
今回ポリヴェーガル理論を知り、
交感神経・背側迷走神経・腹側迷走神経と、3つの神経系の機能を連想することができるようになったことで、
目の前の人の反応、危機状態での反応からの自律神経系の働きが予測でき、
目の前の人の身体に「その時何が起こっていたのか」「今何が起こっているのか」に気づくことができ、
より最善なかかわり、適切なサポートができるなぁと感じました。
同じ衝撃をうけても、人はそれぞれに違う反応をする。
それは自律神経系の反応の違いとも言える。
人がトラウマを抱えてしまうのは、何か衝撃が起こった時、その際に生じたエネルギーを内にためてしまうから。
そのたまったエネルギーがトラウマとなる。
なので、そのため込んでしまったエネルギーを放出してあげたらいい。
それができたなら、癒しが起こり、楽になる。
動物は、生じたエネルギーを内にためることをしないからトラウマがないんですね。
トラウマを抱えるのは、生き物の中で人間だけ。
そんな話を聞いていたら、小学1,2年生の頃の私を思い出しました。
その頃の私の記憶の映像には、音がなく、感情の躍動がなく、ただ淡々と生きている私がいる。
なんだかそこには、ぽっかりと何かが抜け落ちている、そんな感覚があって、
あ~これは、背側迷走神経によって「解離」が起こっていたのかもしれない、とふと思いました。
別の記憶では「硬直」が起こっていたのだなぁと思ったり、、いろいろな気づきが起こりました。
なんにせよ、あの頃の私は自律神経に守られていたのかも、、守られていたんだ、、と気づけたことで、自分のことがさらに愛おしく思えるようになりました。
私の身体は、自律神経は、私の意思や意図に関係なく、自動的に、私を生存させるためにと機能してくれていた。
そして今も尚それは為されているのだということ。
そこに想いを馳せたなら、そんなことを知ってしまったら、なんだか感動しちゃうよね。。
ある方が大きなトラウマの克服体験を語ってくれました。
貴重な体験のシェアを聞くことができて有難かった。
その体験からのこの言葉が説得力があって胸に残りました↓
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トラウマの恐怖。
それはワークを繰り返し受けていく中で癒していけました。
そして、トラウマの先にある「大丈夫」「幸せ」「だからこその世界」に出逢えた時、克服することができました。
焦らず、ゆっくりと癒されていくほどに、自分の世界はひらいていきました。
そしてそれが自信となりました。
「今まで生きながらえてくれてありがとう」
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なおらない、なくすことのできないトラウマはある。
でもそれはそれでよくて、そうあることに意味がある場合もある。
そしてトラウマは、徐々に癒していくことができるものでもある。
お互いが安心、安全だと感じられる場、関係性が成り立ったなら、それは可能。
セッションは「やり方」ではない。
トラウマセッションで一番大事なことは「安全である」ということ。
それを体現するにはやはり、究極的には、
その瞬間「私は私で在り続けること」なのだと私は思う。
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 今回も、前回に引き続き、私の感覚にヒットしたこと、感じたこと、気づいたこと等を備忘録的に綴っておこうと思う。【7月】~「今・ここ」の気づきとは~気づきとは、ゲシュタルト療法の基本的概念のひとつ。今ここで体感していること。知的な理解ではなく、今ここで起きている感情、感覚をありのままに体験すること。「今ここにいなければ、気づきは起こらない」徹底して、今ここに居続けること。そのためには、「今どんなことに気づいているか?」意識をして、意識を向けて、気づいていくこと。これは継続的なレッスンが必要。山登りのシェアが面白かった。今ここで山登りをしたら、ものすごく苦しくてしんどくて、今まではいろいろな思い込みの中で山登りをしていたんだ!と気づいたというシェア。今ここを苦しいと感じ「助けて」を言えた。初めて人に助けを求めることができた、と。今までは「苦しい」と気づかずに、「苦しくない」と思い込み、思い込ませ生きていたんだ、ということに気づいたと。これはとても興味深く、深いシェアだなぁと思いました。同じような人、同じように生きている人、たくさんいるんじゃないかなぁ。今ここを生きるとは、「ホントウ」に気づくこと。**パールズは、こう例えています。気づき=リトル悟り過去・今・未来「今ここ、あなたはどこを生きていますか?」常に、今ここに立ち還ること。今ここの私を、ありのままに、そのままに、感じること。徹底的に気づき、今ここの自分を大切にすること。そのためにも「妄想している」ことに気づくことが大事。どこからが現実で、どこからが妄想か、認識すること。私たちは油断するとすぐ、今の数ミリ先の未来を想像してしまうから。**不快感・怒りは、出さないといけない。それらを飲み込む習慣ができてしまうと、それがパターン化してしまい、トラウマになったり人間関係がもてなかったり、、そしてそれらがあることにも気づけなくなってしまう。不快感・怒りは、ホメオスターシスの反応。とても大切なもの。その反応、気づきは、真実の欲求、本能。それを採用しなかったら、しなかったなりのことが起こる。嫌なら「もう嫌!!」って表現することが大事!「あの人嫌い!」ってひとりでブツブツ言ったらいい!(^^)!「ホメオスターシスが働いている間は生きていられる」その反応、気づきごと、自分の身体に「ありがとう」という意識を向けて生きるといい。**神経症、心身症、あらゆる精神的な様々な症状は、無意識のうちに選択した行為の結果であり、それなりの目的を果たしている。人間は今この瞬間、自分にとって一番必要なことをしているそれがたとえ、苦しいことであったとしても。〇トラウマセラピーワークでは、「リソースがあれば、人は今ここの自分で生きられる」ということを体感であらためて知ることができた。まさに今の私が、今ここの私を生きられるようになったのは、私の真ん中にリソースが宿ったから、なので、それを、より納得と説得力をもってお伝えできるなぁ~と嬉しく心強く感じた。 […]
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